周星馳/韓国ウーマンプラス

周星馳には特別なものがある。論理を破壊するナンセンスと粗雑な映画美学が作り出す逸脱の楽しみ。彼が笑えば観客も笑い、彼が泣いても観客は笑う。全てのものをパロディとし、全てのものを自分式に置きかえる男。そうして彼は独自の文化になった。

事実、韓国で周星馳が好きだというのは張國榮や梁朝偉、金城武が好きだということとは違う次元の話だ。
大韓民国で20才以上の成人男女の平均的な感覚を持っていると信じている者にとって、周星馳映画を見るために劇場に出入りすることやビデオ店でレンタルすることを恥ずかしく思うきらいがあるからだ。率直に周星馳の映画を心底好きなファンのひとりとして、周星馳映画を見るのは高尚でないという妙な偏見に挑戦したかった。
1990年<賭聖>でスターダムに上がった周星馳は、以後10年間香港映画で誰も真似られない独歩的な位置を占めるようになった。香港映画界で周星馳は10年の間ボックスオフィス歴史上最高を記録して、香港映画市場の沈滞さえ彼にはいかなる影響もおよぼせなかった。その上彼が出演した映画は監督が違っても、皆周星馳らしい映画という点で独特のスタイルを形成したといえる。
去る7月5日、韓国で今まで無視され、我慢してきた周星馳マニアらの代表として、彼と彼の映画に対する悔しくてしょうがない誤解と偏見に挑戦してみるという多少悲壮な心で香港に到着した。撮影チームが空港に到着したのは２時頃。ホテルで荷物を解く余裕もなく、化粧室に一度も行けないまま、あたふたと周星馳が待っているというシャングリラホテルに移動した。しかし、つい噴き出してしまう彼の映画を見ているように次の瞬間まさにククククと声を出して笑ってしまった。青いシャツとグレーのスーツのズボンの下に見える‘ナイキエアーマックス’のためだった。
スーツに（皮）靴という伝統的コーディネイト公式など全く無視したその自由奔放な精神。このシャングリラホテルは運動靴やスリッパ姿では出入できない所で有名だ。彼のマネジャーは、彼が今日‘トレーニングパンツ’をはいていないだけでもまだ幸いだと話した。

トレーニングパンツに運動靴姿の彼はいつもこのホテルを自分の家に出入りするように掻き回すという。彼は果たしてどんな男であろうか? 皆目予測することができない私。彼はいったいどんな考えで笑わせる映画を作っているのだろうか? 韓国に途方もない周星馳マニアらがいることを知っているのだろうか？
結局、本来なら２時間のインタビューを更に２時間延長して答えてもらった。

WP：

あなたが主演して脚本と演出まで引き受けた‘不朽の名作’ ＜食神＞のハリウッドバージョンが作られると聞いているけれど（事実この便りは香港の非アクションジャンルに対する史上初の大型プロジェクトとして、かなり鼓舞的なニュースの種であった）結局監督までするようになるのですか?

周：

フォックス社と米国版＜食神＞を作ることに署名しました。
私は脚本だけでなく監督までを担当し、主演はジム・キャリーがすることを希望しているけれどまだ決定ではないです。

WP：

韓国の周星馳ファンクラブのことを聞いたことがありますか?

周：

ア～（驚いて）知らないです。韓国に私のファンがいるの？
（しばらく後で）本当に？ないでしょうに…（本当に理解できないという反応だ）。

WP：

芸術映画も見ますか?

周：

もちろん見ます。特に王家衛監督の映画が好きです。
（突然記者に向かい）あなたも王家衛映画が好き？
（王家衛映画は見たがあなたの映画の方が好きと言うと） …ありがとう。

WP：

あなたはシナリオに忠実な方ですか？アドリブをたくさん入れる方ですか？

周：

撮影中にシナリオを直したり、アドリブも入れるけれど重要な場面はそうではないです。
率直に即興的なアイディアの演技よりは、背景・全体的な進行で一つ一つ事前に準備し緻密に調整された状態を好みます。　

WP：

映画を撮りながら、自分がここで観客が笑うと考えた部分と劇場で観客が実際に笑う部分は一致しますか？

周：

不思議にも…一致しません。
この時笑うだろうという所で笑わないで、とんでもないところで笑う場合が多いです。
（映画をたくさん撮ってきたので、今ではもうある程度予想できるのでは？）できないですね。観客の反応を予想するのは本当に難しいことだと思います。

WP：

あなたの映画は一般的な批評の傾向では説明することができない変な映画です。あなたの映画に対する批評はあなたの思いどおりですか?
*多分変な映画とは言ってないと思うんですが・・・*

周：

私が願うのは観客に映画を楽しんでもらいたいということだけです。
確かに私の映画はむちゃくちゃで水準以下だと批評されるときもあります。

WP：

あなたのマスクと演技に対してはどう思いますか?

周：

かなり使える顔だと思うけど（笑）。ところが人々はそのように考えない様ですね。
非現実的なほどにハンサムな男優が恋愛映画を撮って、私自身はある日気付くとこのようになっていました。*コメディ映画専門ってことでしょうか？*
私は本当はアクション映画を撮りたいんです。よく見たら分かると思うけど私の映画の中に、そんなに多くはないが必ずアクションが入っています。

WP：

何故あなたはいつも運動靴をはいているのですか？（興味が沸いて）
*突然靴の話ですかい？*

周：

私は運動がとても好きです。
夕方に運動をするので履き物を２つ持ち歩くことが面倒だから。
（主にどんな運動を？）ジョギングをします。（どこで？）路上で。
（多くの人が気付いて騒ぐのでは？）そんなことはない。むちゃくちゃな人間だから人々は関心も持っていません（笑）。

WP：

今準備している新しいプロジェクトは？

周：

さっきも話しましたがサッカー映画を準備中です。少林寺の武術者らが俗世に降りてきて、サッカーをするという話。ただ、時代は現代で武術を利用したサッカーで優勝をするというものです。ワールドカップ優勝ではないが、多分第２弾が出ればワールドカップ優勝になるかも（笑）…。９月にクランクインします。可能ならば韓国演技者も共に参加して、映画を撮ったら良いよ。

WP：

香港スターらは皆、歌も歌って演技もするのにあなたはなぜ歌を歌わないのですか？
ひょっとしてできないのでは？
*かなり直線的な質問のしかた。す、すごい！*

周：

歌は上手い。だが私の最後の切り札として大切にとっています。
（冗談を笑いもせず真剣に話す彼の姿を見ると、まさしく映画の中の周星馳と同じだった）

WP：

他に何が上手ですか？

周：

料理！私が食神でしょ？（笑）

WP：

テコンドーを習いたいと思ったことはありますか？（この質問は撮影のために移動している間エレベーターの中でした）

周：

とても習いたい。 TVで見たが本当に（凄い）すばらしい！その破壊力（突然エレベーターの中に乗っていたぼってりとした黄色い頭の男を、げんこつで打ち下ろすモーションを取って)に驚き転ぶところだった。
*星仔、子供じゃないんだから・・(-_-;).*

WP：

自身の映画の中で最も好きな映画とキャラクターは？

周：

色々な映画が好きです。特に＜逃學威龍＞＜食神＞＜喜劇之王＞が好きかな。
映画ごとに撮影する時、とても難しくて苦労した記憶があり、ほとんどすべての映画に愛情があります。そしてすべての映画の中に私の姿が少しずつ入っている。

WP：

あなたが香港ブルース・リーファンクラブの名誉会長だ言うのは有名ですね。推進しているブルース・リーの記念館建設はどうなったのですか？

周：

政府がまだ許可しないでいるけれどずっと推進する考えです。
香港を全世界に知らせたのは彼なのに、彼が映画俳優だという理由だけで記念館さえ作れないのは理解できない。そのような厳粛主義は本当に笑わせる。

WP：

これからもう少し個人的な質問をします。今までプロポーズしたことはありますか？
*またしても突然大胆な・・・でも、いいよぉ！インタビュアーさん*

周：

結婚に対しては特別に考えてみなかった。
愛の告白はしてみたが、まだ一度もプロポーズはしたことないですね。

WP：

さびしいことはないですか？

周：

さびしいことはさびしい。でも私は本来から孤独だった。

WP：

私たちは悲しくて憂鬱な時、周星馳映画を見ますが、あなたはそんな時？

周：

私は他の人の映画を見ます。私の憂鬱症を治療してくれる映画として＜反則王＞を選びました。

WP：

あなたが産み出すその笑いの源泉はどこにあるのですか?

周：

私の周囲には本当におもしろい友人らが多い。映画より現実でもっと面白くてあっけにとられることが多くおきます。人生自体がまさに映画のようです。私は日常で新しいアイディアを絶えず模索しています。

WP：

一番嫌いなのが遅刻と言っていましたが…。

周：

常に遅れるのは私だね。約束のとおり、計画どおり生きるのはとてもつまらないでしょ? 私は遅刻が良い。
*なぬ？遅刻の言い訳をしているつもりなのか？意味不明*

WP：

時計が一つもないと言っていましたが時間を拒否したいのですか？

周：

それはオーバーすぎる。時計をつけないだけです。時計をつけると窮屈だし。
家には壁時計もあって、腕時計もあって、アラーム時計もあります。
*確か装飾品で好きなのは時計って書いてあった記事を見たけど違うの？*

WP：

香港のマスコミではあたかもあなたがプレイボーイのように報道しましたけど？
*突っ込みますね～～*

周：

可愛い女性が好きです。私もただ平凡な男であるだけという話です。

WP：

暗いことをとても恐れると聞きましたが？

周：

本当にそうです。私は夜に灯りを消さないで寝ます。
実は夜が怖いのでなく、夜に現れるおばけが怖い。そしてゴキブリも怖い。考えただけでもウ～。
*やっぱりお子ちゃま？でも、よく解る*

WP：

本当に多くのお金を儲けたと思いますが使い道は？

周：

少しは儲けたがそんなにたくさん儲けてはいません。
ただ母と妹らを食べさせていくためだけです。私は家族を養うためにお金を使うことを惜しまない。　　

WP：

この前、87億の家を購入したと聞きましたが。
*通貨単位がよくわかりません、、、すみません*

周：

金額はマスコミが言ってることです。家は確かに買いました。
今、その家には家族が住んでいます。私の家族が最大限気楽に生きれるように願うだけです。私自身は10年の間同じ家で一人で暮らしています。　　

WP：

好きな女性のタイプを教えてください。

周：

私は闊達で楽観的な女性が好きです。しかし、とても過激な女性はあまり好きじゃない。

WP：

理想の女性が現れれば結婚しますか？

周：

いつでもできます。結婚というものは本来、ある日突然するもの。

WP：

子供が嫌いといっていたが、子供は作らない主義なのですか？
*インタビュアーさん、あなたはエライ！最後まで突っ込みありがとう！*

周：

誰がそのようなデマを？私も子供が欲しい。特に女の子がいい。

星馳ポーズ２ *赤字は私の個人的なコメントです。
無視して下さい(;^_^A*

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