2005年【功夫】 Kung Fu Hustle
邦題 : 「カンフーハッスル」
文化革命前の混沌とした中国。街を牛耳る冷酷非道な斧頭会入りを夢見るチンピラ
シン(周星馳/チャウ・シンチー)は、頼りない相棒(林子聰/ラム・ジーチョン)と共に日々ちっぽけな窃盗を繰り返していた。
ある日、豚小屋砦と言われる貧民アパートでイザコザを起こしていると斧頭会が現れ、やがてカンフーを極めた住人たちを巻き込み壮絶な闘争へと発展してしまう。
そして、その対決を目の当たりにしたシンの心の奥底で、眠り続けていた何かが覚醒するのだった・・・。
幼い時からブルース・リーに憧れ、ブルース・リーになりたかった男・周星馳の長年の夢がギュッと詰まった作品。
弱っちい男が血のにじむような努力を重ね、カンフーを極めるという昔ながらのストーリーだろうと勝手に思い描いていた私は、包帯ぐるぐる巻き状態から脱皮し、一気にカンフーの達人となってしまい、天高く飛び上がった姿に「ありえねー!」と叫んでしまった。
ワイヤー使いまくり、CG使いまくりの何でも「ありすぎー!」的なところがあっぱれ!
そう、香港映画はこうでなくっちゃいけません。
古き中国の様子が見事に再現され背景を見ているだけでも楽しいし、斧頭会ボス役のダニー君(陳國坤/チャン・クォックワン)は惚れそうになるくらいかっこいいし、豚小屋砦の3人のカンフー達人たちや、家主夫婦のキャラも嫌になるほど濃い!観る度に違う感想を抱いてしまう奥深さがあるし、観終わった後は栄養満点の美味しいスタミナジュースを飲んだ後のような、気力みなぎる爽快感でいっぱいになる。
ストーリーとしては前半をじっくり作りこみ、後半やや急展開になった感もあるが、そんなことはどうでもいい。やっぱり星馳の映画はマジで面白いし、人・中国・功夫・歴史・自然など色んなものへの愛であふれている。そして星馳は40歳過ぎても凛々しく美しい!
私など今さら練習しても「カンフー」の達人にはなれないが、この映画を何度も観てじっくり味わい、願わくば「カンフーハッスル」の達人になりたい。
お薦め度 ★★★★★+★